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福利厚生は課税される?非課税の条件と0円導入の考え方

2026.09.14 公開 | 監修:添田拓海(B2B推進部グループ長 / 福利厚生アドバイザー)

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福利厚生費として処理していても、要件を満たさなければ給与として課税されます。所得税法上の原則は、従業員の皆さまが受け取った経済的利益はすべて給与所得だからです。

自社の制度がどちらに当たるのか、判断がつかないまま処理を続けている。経理や総務のご担当者からは、この状態でのご相談をいただくことがあります。

判定は3つの問いで進みます。全従業員が対象になっているか、現金または換金性のあるものではないか、項目ごとに定められた金額基準の範囲内か。 この順に見ていけば、大半のケースは切り分けられます。

この記事では、3つの問いの中身、金額の上限がある主な項目、判定を誤りやすい場面を整理します。最後に、企業負担0円で導入する場合の扱いにも触れます。

原則は「経済的利益はすべて給与」|非課税は例外として定められている

国税庁のタックスアンサー「給与所得となるもの」では、給与所得に含まれる経済的利益として次の4つが例示されています。

  1. 物品その他の資産を無償または低い価額により譲渡したことによる経済的利益

  2. 土地、家屋、金銭その他の資産を無償または低い対価により貸し付けたことによる経済的利益

  3. 福利厚生施設の利用など、その他用役の提供による経済的利益

  4. 個人的債務を免除または負担したことによる経済的利益

3番目に、福利厚生施設の利用が明記されています。 福利厚生として提供したものであっても、原則としては給与所得の側に入るという建て付けです。

ここで押さえておきたいのが、勘定科目は税務上の取扱いを決めないという点です。福利厚生費で処理したから非課税になるのではなく、法令や通達で定められた要件を満たしているかどうかで決まります。

非課税かどうかを判定する3つの問い

自社の制度を判定するときは、次の順で確認します。

問い1|全従業員が対象になっているか

特定の役員や一部の従業員だけが使える制度は、その人への給与とみなされます。パート・アルバイトを対象から外している場合も、ここで引っかかります。

問い2|現金または換金性のあるものではないか

現金支給は、名称が福利厚生であっても給与です。商品券やプリペイドカードも同様に扱われます。

問い3|項目ごとに定められた金額基準の範囲内か

食事の支給や通勤手当のように、国税庁が金額基準を示している項目があります。

ここで1点、正確にお伝えしておきます。この3つは、国税庁が「非課税の3条件」として定めた規定ではありません。 個別の通達や取扱いに共通する考え方を、判定しやすい形に整理したものです。入口の切り分けには使えますが、最終的には項目ごとの規定を確認してください。

金額の上限がある主な項目

国税庁が具体的な基準を示している項目を整理します。

項目

非課税として取り扱われる要件

通勤手当(交通機関利用)

最も経済的かつ合理的な経路および方法による通勤定期券などの金額。1か月あたり15万円が上限

食事の支給

①従業員が食事の価額の半分以上を負担していること ②「食事の価額-従業員の負担額」が1か月あたり7,500円(税抜)以下であること

創業記念品

社会一般的にみて記念品としてふさわしいもので、処分見込価額による評価額が1万円(税抜)以下。一定期間ごとに行う行事での支給は、おおむね5年以上の間隔

永年勤続の記念品・旅行招待

勤続年数や地位などに照らして社会一般的にみて相当な金額以内。勤続年数がおおむね10年以上の人が対象。同じ人を2回以上表彰する場合は、前回からおおむね5年以上の間隔

従業員レクリエーション旅行

旅行期間が4泊5日以内(海外旅行は外国での滞在日数が4泊5日以内)で、参加人数が全体の50%以上

深夜勤務の夜食に代えて支給する金銭

現物支給に代えて支給する場合に限り、1回あたり650円(税抜)以下

食事の支給は、令和8年3月31日付の通達改正で非課税限度額が月額3,500円から7,500円に引き上げられ、令和8年4月1日以後に支給する食事から適用されています。 同じ改正で、深夜勤務に伴う夜食の現物支給に代えて支給する金銭についても、1回300円以下から650円以下に引き上げられました。改正前の金額を載せた資料がまだ出回っています。

永年勤続の記念品だけは、具体的な金額基準が示されていません。他の項目より慎重な確認が必要です。

判定を誤りやすい場面

実務でつまずきやすいのは、次の4つです。

1. 課税されるのは超過分だけとは限らない

食事の支給では、要件を満たさない場合、会社が負担した金額が給与として課税されます。超えた分だけという理解でいると、計算が合いません。

2. 対象が一部に限られている

正社員のみ、勤続◯年以上のみといった制限を設けると、問い1で落ちます。制度としての公平性ではなく、税務上の要件として対象範囲が見られます。

珍しい制度ほど、対象が特定の層に偏りやすくなります。制度を選ぶ段階で何を見ておくべきかは、ユニークな福利厚生|大企業の事例を真似る前にで整理しています。

3. 現金に振り替えている

運用が煩雑だからと食事補助を現金の手当に変えると、給与になります。

ここには例外が1つあります。深夜勤務に伴う夜食については、現物支給に代えて金銭を支給する場合に限り、1回650円(税抜)以下であれば課税されない取扱いになっています。深夜勤務に限った話であり、通常の食事補助を現金に置き換えられるという意味ではありません。

4. 記念品を商品券で渡している

永年勤続表彰で商品券を渡すと、換金性が高いため問い2で落ちます。

0円で導入する場合、税務上はどうなるか

ここまでは、企業が費用を負担する前提での話でした。企業負担が発生しない形は、扱いが変わります。

費用の支出がなければ、福利厚生費として計上する金額そのものが発生しません。 損金に算入できるかどうかという論点が立たない状態です。

従業員の皆さま側についても、割引を提供しているのはサービス提供会社であって、勤務先ではありません。この点で、会社が費用を負担して提供する福利厚生とは性質が異なります。 ただし実際の取扱いは、契約の形や優待の内容によって判断が分かれる可能性があります。導入前に顧問税理士へご確認ください。

私たちが運営している「SBC Wellness」も、この形です。企業様の導入費用・月額費用は0円で、従業員の皆さまは美容医療や審美歯科のほか、卵子凍結、視力矯正治療などのメニューを10%OFFの優待価格で利用できます。施術費用はご本人の負担です。

割引の原資も私たちが負担しています。 企業様から利用料をいただかずに運営できるのは、このサービスを自社のマーケティング施策として位置づけているためです。

対象はさまざまな雇用形態の方で、年間の最低利用人数といった制限もありません。

▶ 関連記事:中小企業の福利厚生|自社の従業員構成から選ぶ

まとめ|判定チェックリスト

自社の制度を確認する際は、この順で見てください。

  • 勘定科目ではなく、要件を満たしているかで判断しているか

  • 全従業員が対象になっているか(パート・アルバイトを含む)

  • 現金・商品券・プリペイドカードなど換金性のあるものではないか

  • 通勤手当は、経済的かつ合理的な経路の金額で、1か月15万円以内か

  • 食事の支給は、従業員負担が半分以上で、会社負担が1か月7,500円(税抜)以内か(改正前の3,500円のまま運用していないか)

  • 深夜勤務の夜食に代えて金銭を支給している場合、1回650円(税抜)以内か(改正前の300円のまま運用していないか)

  • 創業記念品は、処分見込価額1万円(税抜)以内か

  • 永年勤続表彰は、おおむね勤続10年以上、前回から5年以上の間隔か

  • レクリエーション旅行は、4泊5日以内かつ参加率50%以上か

企業負担0円で始められる福利厚生の仕組みは、資料でご確認いただけます。資料をダウンロードする

出典

補足

  • 食事の支給の非課税限度額は、令和8年3月31日付の法令解釈通達の改正により月額3,500円から7,500円に引き上げられ、令和8年4月1日以後に支給する食事から適用されています(国税庁「食事の現物支給に係る所得税の非課税限度額の引上げについて」)

  • 深夜勤務に伴う夜食の現物支給に代えて支給する金銭の非課税限度額も、同じ通達改正により1回300円以下から650円以下に引き上げられています

  • 各項目の要件は、国税庁タックスアンサーの記載によります。通勤手当・食事の支給は令和8年4月1日現在法令等、創業記念品・永年勤続記念品・レクリエーション旅行は令和7年4月1日現在法令等の内容です

  • 「非課税かどうかを判定する3つの問い」は、当社が個別の通達や取扱いに共通する考え方を整理したものです(国税庁が「非課税の3条件」として定めた規定ではありません)

  • 本記事は一般的な取扱いの整理であり、個別の判断を行うものではありません。自社の制度の判定は顧問税理士にご確認ください

  • サービスの提供内容に関する記述は、SBC Wellnessの提供実績にもとづくものです(2026年7月時点)

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監修者

添田拓海

B2B推進部グループ長 / 福利厚生アドバイザー / SBCメディカルグループ株式会社

2021年筑波大学卒業。医療現場での実務経験を活かし、業務プロセス改革(BPR)を主導して組織の生産性向上に貢献。グループでは最年少でマネージャーに昇格する。現在は、ウェルビーイング領域を担う「SBCWellness」のサービス担当部署において、300社を超える導入企業の現場の声に基づいたサービス改善に注力。若手リーダーとしての組織改革にも取り組みながら、企業のウェルビーイング実現を支援している。