SBC Wellness
福利厚生

パート・アルバイトの福利厚生|企業が対象に含めるべき範囲と選び方

2026.10.13 公開 | 監修:添田拓海(B2B推進部グループ長 / 福利厚生アドバイザー)

パート・アルバイトの福利厚生|企業が対象に含めるべき範囲と選び方のメイン画像

2025年の労働力調査では、役員を除く雇用者5,837万人のうち、非正規の職員・従業員が2,128万人を占めました。割合にして36.5%で、このうちパート・アルバイトが1,512万人です。

パート・アルバイトに福利厚生をどこまで用意するかは、企業が自由に決められることのように見えます。ところが実際には、法律で義務になっている範囲と、正社員との間に不合理な差をつけてはいけない範囲があり、企業が任意で決められるのはその外側だけにとどまります。

そこでパート・アルバイトの福利厚生を3つの範囲に分け、どこに線が引かれているのかを確かめます。2026年10月1日から適用されている改正ガイドラインの変更点と、任意の範囲での選び方も、あわせてお伝えします。

パート・アルバイトの福利厚生は3つの範囲に分かれる

ここから先で扱うのは、社員食堂や休暇制度のように、会社が独自に設ける法定外福利厚生です。法律で加入が決まっている社会保険などの法定福利厚生については、後の章にまわします。

法定外福利厚生は、根拠となるルールごとに次の3つの範囲へ分けて考えると見通しがよくなります。

範囲

根拠

主な内容

利用の機会を与える義務がある

パートタイム・有期雇用労働法 第12条

給食施設、休憩室、更衣室

正社員と不合理な差をつけてはいけない

同法 第8条・第9条、同一労働同一賃金ガイドライン

慶弔休暇、健康診断に伴う勤務免除、病気休職、法定外の休暇、褒賞など

企業が任意で決める

―

上記以外の福利厚生

3つめの任意の範囲についても、指針の上では企業が完全に自由に決められるわけではありません。保育所や保養施設、駐車場のように正社員が使っている施設は、パート・アルバイトにも利用の便宜を図るよう配慮すべきだと指針に書かれています。

法律で義務になっている範囲|給食施設・休憩室・更衣室

パートタイム・有期雇用労働法の第12条は、福利厚生施設の利用について定めた規定です。正社員に利用の機会を与えている施設のうち、健康の保持や業務の円滑な遂行に役立つものは、パート・アルバイトにも同じように開かなければなりません。

> 事業主は、通常の労働者に対して利用の機会を与える福利厚生施設であって、健康の保持又は業務の円滑な遂行に資するものとして厚生労働省令で定めるものについては、その雇用する短時間・有期雇用労働者に対しても、利用の機会を与えなければならない。

この規定の対象になる施設は、施行規則で給食施設・休憩室・更衣室の3つと決められています。社員食堂や休憩室を正社員だけが使える運用にしていれば、それだけでこの規定に反してしまうわけです。

差をつけると不合理になりうる範囲|同一労働同一賃金

同じ法律の第8条は、正社員との間に不合理な待遇の差を設けることそのものを禁じています。対象になるのは基本給や賞与だけでなく、福利厚生を含む待遇の一つひとつです。さらに踏み込んだのが第9条で、仕事の内容や配置の変更の範囲が正社員と同じ人であれば、パート・アルバイトであることを理由とした差別的な取扱いそのものが許されません。

どのような差が不合理になるのかは、同一労働同一賃金ガイドラインが福利厚生について項目ごとに示しています。2026年10月1日から適用されている改正後の内容は、次のとおりです。

項目

ガイドラインが求めること

福利厚生施設

同じ事業所で働く人には、給食施設・休憩室・更衣室の同一の利用を認める。利用料金や割引率などの利用条件にも不合理な差を設けない

転勤者用社宅

正社員と同じ支給要件を満たす人には、同一の社宅の利用を認める

慶弔休暇・健康診断に伴う勤務免除

同一の慶弔休暇を与え、健康診断に伴う勤務免除と有給の保障も同一に行う

病気休職

パートには同一の病気休職を認める。有期の人には契約期間を踏まえて認める

夏季冬季休暇

同一の夏季冬季休暇を与える

法定外の休暇(勤続に応じたもの)

同じ勤続期間の人には同一の休暇を与える。有期契約の更新は通算して数える

褒賞(一定期間の勤続に応じたもの)

同一の褒賞を与える

今回の改正で不合理な差をつけてはいけない項目に加わったのは、夏季冬季休暇と褒賞の2つです。あわせて、福利厚生施設の利用料金や割引率といった利用の条件にも不合理な差を設けてはならないことが明記され、病気休職中の給与の保障についても考え方が示されました。永年勤続表彰や夏季休暇を正社員だけに設けている会社は、すでに適用が始まっているので、対象の範囲を早めに見直しておく必要があります。

法定福利厚生(社会保険)の対象も、段階的に広がる

法律で加入が決まっている法定福利厚生の社会保険も、パート・アルバイトへの適用が広がっていきます。厚生年金と健康保険の加入対象になる企業の規模要件は、現在のところ従業員51人以上です。これが2027年10月に36人以上、2029年10月に21人以上、2032年10月に11人以上へと段階的に引き下げられ、2035年10月には規模の要件そのものがなくなります。

月額8.8万円以上という賃金の要件についても、2026年10月での撤廃が予定されています。加入する人が増えれば、会社が負担する保険料も当然増えてきます。任意の福利厚生にかけられる予算を、あわせて見直す会社も出てくるはずです。

雇用保険も、加入の条件となる週の所定労働時間が2028年10月から20時間以上から10時間以上へ引き下げられる予定です。労災保険のほうは雇用形態を問わず、パート・アルバイトを含めて雇っている労働者すべてが対象になります。

任意の範囲での選び方|雇用形態で線を引かない

義務と不合理な差の禁止を満たしたら、いよいよ任意の範囲の福利厚生を選ぶ段階に入ります。次の4つの条件を確かめておけば、パート・アルバイトにも実際に使われる制度を選びやすいでしょう。

条件

確かめること

勤務の時間帯に左右されない

短時間勤務やシフト勤務の人でも、使える時間に利用できるか

勤続期間に左右されない

入社してすぐの人や、契約を更新している人でも対象になるか

勤務地に左右されない

店舗や拠点が分かれていても、どこで働く人でも使えるか

管理の手間が増えない

雇用形態ごとの対象者の管理や、利用の集計が必要にならないか

パート・アルバイトにも福利厚生を広げる利点は、人材の確保と定着の両面に出てきます。令和7年の雇用動向調査では、パートタイム労働者の離職率が19.9%と、一般労働者の11.4%を大きく上回りました。

福利厚生が課税されないための条件のひとつに、全従業員を対象にしていることが含まれています。雇用形態で線を引かずに対象を決めておけば、税務の面でも扱いやすくなるでしょう。詳しくは福利厚生は課税される?非課税の条件と0円導入の考え方にまとめました。

パート・アルバイトの比率が高い会社に合う制度の考え方は、中小企業の福利厚生|自社の従業員構成から選ぶでも従業員構成のタイプ別に取り上げました。

SBC Wellnessの場合

私たちがご提供している「SBC Wellness」は、雇用形態で線を引かずに導入いただける福利厚生です。正社員のほか、契約社員やアルバイトなど、さまざまな雇用形態の方が対象になります。企業様側では、導入の時点でも毎月の運用でも費用は発生せず、導入費用・月額費用とも0円です。 従業員の皆さまは美容医療・審美歯科・生殖医療のメニューを10%OFFの優待価格でご利用いただけ、雇用形態にかかわらず施術の費用はご本人のお支払いとなります。

さきほど挙げた選び方の4つの条件に当てはめると、SBC Wellnessの場合は次のとおりです。

  • 予約はLINEで受け付けるので、シフトの合間や勤務時間外にも手続きできます

  • 優待の利用回数に制限はなく、在籍している間は何度でも利用できます

  • 全国160院以上のネットワークがあり、41都道府県に展開しています

  • 予約や相談は従業員の皆さまと専任のコンシェルジュが直接行うので、企業様側で利用状況を管理する必要はありません

まとめ

パート・アルバイトの福利厚生は、根拠となるルールの違いから3つの範囲に分けて考えます。給食施設・休憩室・更衣室の利用の機会を与える義務、正社員と不合理な差をつけてはいけない範囲、企業が任意で決める範囲の3つです。2026年10月からは、夏季冬季休暇と褒賞も不合理な差をつけてはいけない項目に加わりました。

任意の範囲で制度を選ぶときは、勤務の時間帯・勤続期間・勤務地に左右されないものを選びます。管理の手間が増えない点まで条件に加えておけば、パート・アルバイトにも実際に使われる制度になるでしょう。まずは今ある制度を3つの範囲に振り分け、正社員だけが使えるものが残っていないかを確かめるところから始めてください。

SBC Wellnessの仕組みと導入の流れは、資料でご確認いただけます。資料をダウンロードする

出典

補足

  • 3つの範囲の分け方は、本記事独自の整理です

  • 同一労働同一賃金ガイドラインは、2026年10月1日から適用されている改正後の内容をもとに要約しています

  • 社会保険の賃金要件の撤廃時期は、厚生労働省の資料で「予定」とされているものです

  • SBC Wellnessの提供内容・条件は2026年9月時点のものです

福利厚生の導入を検討中の方へ

貴社の課題に合った活用法を、専門スタッフが無料でご提案します。

お問い合わせはこちら
添田拓海の写真

監修者

添田拓海

B2B推進部グループ長 / 福利厚生アドバイザー / SBCメディカルグループ株式会社

2021年筑波大学卒業。医療現場での実務経験を活かし、業務プロセス改革(BPR)を主導して組織の生産性向上に貢献。グループでは最年少でマネージャーに昇格する。現在は、ウェルビーイング領域を担う「SBCWellness」のサービス担当部署において、300社を超える導入企業の現場の声に基づいたサービス改善に注力。若手リーダーとしての組織改革にも取り組みながら、企業のウェルビーイング実現を支援している。