女性活躍推進法とは?企業に求められる取り組みと進め方
2026.09.14 公開 | 監修:添田拓海(B2B推進部グループ長 / 福利厚生アドバイザー)

女性活躍推進法が企業様に求めているのは、理念を掲げることではありません。自社の女性活躍の状況を数字で把握し、その数字に対して計画を立て、外部に公表することです。
やるべきことは分かっている。ただ、どこから手をつければいいのか決めきれない。着手前の段階では、この状態で止まりやすくなります。
結論から申し上げると、進め方の順番は厚生労働省が4つのステップで示しています。 何を先にやるかを自分たちで組み立てる必要はありません。
この記事では、法律が求めている内容を整理したうえで、4つのステップそれぞれで何を決め、終わったときに何が手元に残るのかをご説明します。
女性活躍推進法とは?|企業に課される3つのこと
正式名称は「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」です。企業に課されているのは、大きく分けて次の3つになります。
自社の状況把握と課題分析
一般事業主行動計画の策定・届出・周知・公表
女性の活躍に関する情報公表
対象になるかどうかは、常時雇用する労働者の数で決まります。101人以上の企業様は義務、100人以下の企業様は努力義務です。パートやアルバイトであっても、雇用期間の定めがない、または一定の要件を満たす方は人数に含まれます。自社がどちらに当たるのか、まずはここを確認しておいてください。
なお2026年4月の改正で、101人以上の企業様には女性管理職比率と男女間賃金差異の公表が新たに求められるようになりました。
進め方は4ステップ|順番はすでに決まっている
厚生労働省のパンフレットでは、取り組みの進め方が次の4段階で示されています。
ステップ | やること | 終わったときに手元に残るもの |
|---|---|---|
1 | 自社の状況把握、課題分析 | 5項目の数字と、絞り込んだ課題 |
2 | 行動計画の策定、社内周知、公表 | 計画期間・数値目標・取組内容・実施時期を書いた行動計画 |
3 | 都道府県労働局への届出 | 届出の控え |
4 | 取組の実施、効果の測定 | 翌年のステップ1に入る数字 |
ステップ2と3の順番を意外に感じた方もいるかもしれません。行動計画は、届け出る前に社内へ周知し、外部に公表します。 労働局へ出すのはその後です。
ステップ1|自社の数字を5項目そろえ、課題を絞り込む
最初にやるのは、自社の状況を数字にすることです。必ず把握する「基礎項目」は次の5つと決まっています。
採用した労働者に占める女性労働者の割合
男女の平均継続勤務年数の差異
労働者の各月ごとの平均残業時間等
管理職に占める女性労働者の割合
男女間賃金差異
このほかに「選択項目」があり、課題をさらに掘り下げたいときに自社の実情に応じて選びます。配置や育成、評価や登用、職場風土などが用意されていますが、着手の段階では基礎項目5つで十分です。
ここで手が止まる企業様は少なくありません。理由は制度が難しいからではなく、社内にある給与データや勤怠データを、男女別・雇用形態別に割り直す作業が発生するためです。人事情報を1人が兼務で見ている規模では、この集計だけで数日かかることもあります。
数字がそろったら、課題を絞り込みます。5項目すべてに手を打とうとすると計画が総花的になるため、自社の数字が業界平均や自社の目標から最も離れている箇所を1つか2つ選ぶほうが、次のステップが書きやすくなります。
継続勤務年数の差異が課題として残った場合は、そもそも人がなぜ辞めるのかを先に押さえておくと、打ち手を選びやすくなります。理由の内訳は離職防止に効く施策|辞める理由から逆算して考えるで数字から整理しています。
ステップ2・3|計画を作り、周知・公表して、労働局に届け出る
行動計画に必ず盛り込む事項は4つです。
記載事項 | 決めること |
|---|---|
計画期間 | おおむね2年間から5年間に区切る |
数値目標 | 課題に対応する目標を数字で立てる |
取組内容 | 目標を達成するために何をするか |
取組の実施時期 | それをいつやるか |
数値目標の数は規模で変わります。101人から300人の企業様は1つ以上、301人以上の企業様は「女性労働者に対する職業生活に関する機会の提供」と「職業生活と家庭生活との両立に資する雇用環境の整備」という2つの区分それぞれから1つ以上、つまり合わせて2つ以上が原則です。
計画ができたら、従業員の皆さまへ周知します。事業所の見やすい場所への掲示、電子メールでの送付、社内ネットワークへの掲載、書面での配布などが方法として挙げられています。
外部への公表は、厚生労働省が運営する「女性の活躍推進企業データベース」への掲載か、自社ホームページへの掲載などで行います。
最後に、都道府県労働局へ届け出ます。電子申請、郵送、持参のいずれでも受け付けられています。
ステップ4|実施して、効果を測る
行動計画は、提出した時点では紙のままです。計画期間はおおむね2年から5年で、その間に定期的に進捗を検証し、必要に応じて改定していくことが求められています。
そして翌年の数字が、そのままステップ1の入力になります。 管理職比率が動いたのか、継続勤務年数の差が縮まったのか。取り組みの効果は、同じ5項目を測り直すことで見えてきます。
裏を返すと、取り組みが動いていなければ、翌年も同じ数字を出すことになります。 計画の書き方が悪かったというより、書いた取り組みに人が動かなかった、というケースのほうが多くなります。
4ステップが止まるのは、たいてい最後|取り組みを使われる状態にする
用意した取り組みに人が動かない。ここが4つのステップで最も詰まりやすい場所です。
行動計画の取組内容に、研修や制度の新設を書き込む企業様は多くあります。ただし、申請の手続きが必要だったり、使うために上長の承認が要ったりすると、利用は伸びにくくなります。 従業員の皆さまにとっては、使うことそのものにコストがかかるためです。
私たちが運営している「SBC Wellness」も、この点を前提に設計しています。企業様の導入費用・月額費用は0円で、従業員の皆さまは美容医療や審美歯科のほか、卵子凍結、視力矯正治療などのメニューを10%OFFの優待価格で利用できます。施術費用はご本人の負担です。
運用面は次のとおりです。
就業規則や規程の書き換えは不要です。 福利厚生として案内するところから始められます
申請の受付は発生しません。 従業員の皆さまが直接ご利用いただけます
年間の最低利用人数の制限はありません。 利用のない月に費用は発生しません
対象はさまざまな雇用形態の方です。全国160院以上のネットワークがあり、41都道府県に展開しています。
福利厚生そのものは行動計画ではありません。取組内容を使われる状態に近づける選択肢のひとつとお考えください。
▶ 関連記事:中小企業の福利厚生|自社の従業員構成から選ぶ
まとめ
女性活躍推進法への対応は、状況把握と課題分析、行動計画の策定と周知・公表、労働局への届出、実施と効果測定という4つのステップで進みます。順番は決まっているため、迷うところは多くありません。
最初の関門はステップ1の集計、次の関門はステップ4の実施です。まずは基礎項目5つの数字を出すところから始めてみてください。
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出典
補足
4つのステップ、基礎項目5項目、行動計画の必須記載事項4項目、数値目標の数、計画期間の目安、周知・公表の方法は、厚生労働省のパンフレット(令和8年6月版)の記載にもとづきます
常時雇用する労働者の数え方は、厚生労働省の解釈にもとづきます。判断に迷う場合は所轄の都道府県労働局にご確認ください
「社内にある給与データや勤怠データを割り直す作業が発生する」という記述は、一般に指摘されている実務上の論点を整理したものです
サービスの提供内容は、SBC Wellnessの提供実績にもとづくものです(2026年7月時点)
クリニック数は2026年5月時点の数値です
