女性が多い職場の福利厚生|喜ばれる制度の例と選び方の4つの基準
2026.10.30 公開 | 監修:添田拓海(B2B推進部グループ長 / 福利厚生アドバイザー)

医療・福祉や小売、飲食、美容などの業界では、働く人の半数以上を女性が占める職場が珍しくありません。厚生労働省の令和7年雇用動向調査によると、1年間の離職率は男性の12.5%に対して女性は15.1%で、女性のほうが2.6ポイント高くなっています。
女性が多い職場で福利厚生を見直そうとすると、美容や健康にまつわるサービスを思い浮かべる方が多いかもしれません。ただ、同じ女性でも年代や働き方によって必要としているものは大きく違い、何となく選んだ制度は一部の人にしか使われないまま終わりがちです。そこで女性が仕事を辞める理由を確かめたうえで、制度を選ぶときの4つの基準を順にご説明します。
女性の離職の理由から見えること
令和7年雇用動向調査で、転職した女性が前職を辞めた理由をみると、「その他の個人的理由」を除いて最も多かったのは労働時間や休日などの労働条件で12.9%でした。次いで職場の人間関係が11.5%となっています。
この調査を見るかぎり、福利厚生の不足が離職の理由の上位に直接出てくるわけではありません。それでも、体調の不調や不妊治療、家族の事情のように、働く時間や休み方に影響する出来事への支えは、会社の制度で手当てできる部分があります。辞める理由から打ち手を考える方法は、離職防止に効く施策|辞める理由から逆算して考えるで詳しく取り上げました。
女性が多い職場で喜ばれる制度の例
女性が多い職場でよく取り入れられている制度を、支えたい場面ごとに並べると次のようになります。
支えたい場面 | 制度の例 |
|---|---|
月経に伴う不調 | 生理休暇を取りやすくする運用、休暇中の賃金の扱いを決めておく |
妊娠・出産・不妊治療 | 通院のための休暇や時間単位の休暇、社外の相談窓口 |
更年期の症状 | 体調に合わせた勤務時間の調整、婦人科の受診費用の補助 |
子育てや介護との両立 | 短時間勤務やシフトの選択制、急な休みに対応できる人員配置 |
美容や身だしなみ | 美容医療や審美歯科などの優待サービス |
生理休暇は労働基準法の第68条で、生理日の就業が著しく困難な人から請求があれば与えなければならないと定められています。休暇中の賃金を有給にするか無給にするかは会社が決められるので、取りやすさは運用しだいで変わります。
女性が多い職場向けの制度の例はほかにも多く見つかりますが、すべてをそろえる必要はありません。自社の従業員にどれが合うかを判断するために、次の4つの基準を使います。
基準1 年代構成から必要な支えを考える
女性の健康にまつわる課題は年代によって大きく変わり、経済産業省は2024年2月、女性特有の健康課題による社会全体の経済損失を年間約3.4兆円と試算しました。
健康課題 | 主に関わる年代 | 経済損失の試算(年間) |
|---|---|---|
月経随伴症 | 10代後半〜40代 | 約0.6兆円 |
不妊治療 | 20代後半〜40代 | 約0.3兆円 |
婦人科がん | 30代〜 | 約0.6兆円 |
更年期症状 | 40代〜50代 | 約1.9兆円 |
女性向けの福利厚生というと若い世代を思い浮かべがちですが、損失の半分以上を占めているのは更年期症状です。20代と30代が中心の職場と、40代と50代が多い職場とでは、同じ「女性向けの福利厚生」でも優先すべきものが変わってきます。
40代以降の従業員が多い職場では、通院のための休みの取りやすさや、体調に合わせた勤務の調整も、福利厚生と合わせて考えておきたいところです。制度を選ぶ前に、まずは従業員の年代構成を確かめておく必要があります。
基準2 周りに知られずに使えるか
健康や体のことは、職場の上司や同僚には話しにくいと感じている人が少なくありません。なかでも不妊治療は通院の回数が多く、厚生労働省の令和5年度の調査では、不妊治療をしたことがある人のうち10.9%が仕事と両立できずに辞めたと答えています。一方で、不妊治療を受ける従業員向けの支援制度などがある企業は26.5%にとどまっています。
制度があっても、利用するために上司の承認や総務への申請が必要な形では、使うこと自体をためらう人が出てきます。医療や健康に関わる制度を選ぶときは、従業員が会社を通さずに直接申し込めるか、誰が何を利用したかを会社が把握しない仕組みになっているかを確かめてください。相談窓口を設ける場合も、社内の担当者だけでなく社外の窓口を選べるようにしておくと、話しにくい内容でも相談しやすくなります。
基準3 働く時間と場所に合わせて使えるか
小売や飲食、医療・福祉のように女性が多い職場では、パートタイムやシフト勤務で働く人の割合も高くなりがちです。平日の日中にしか予約できない制度や、特定の施設に足を運ばなければ使えない制度は、短時間勤務の人や、子育てや介護と両立している人には使いにくいものになります。
勤務の合間や休みの日に手続きできるか、住んでいる地域や勤務地の近くで利用できるかも、あわせて確かめておきたい点です。パート・アルバイトを対象に含める範囲は、パート・アルバイトの福利厚生|企業が対象に含めるべき範囲と選び方で整理しました。
基準4 一人ひとりが選べる幅があるか
年代や暮らしの事情によって必要なものが違う以上、一つの目的に絞った制度は、対象に当てはまる人にしか使われません。同じ人でも、20代のころと40代になってからとでは、必要とするものが変わっていきます。
美容に関する優待は利用する人の満足度につながりやすい一方で、関心のない人にとっては使う理由がありません。メニューの中から本人が選べる形の制度であれば、年代や関心の違う人がそれぞれの使い方を見つけやすくなります。
SBC Wellnessの場合
私たちがご提供している「SBC Wellness」は、導入費用も月額費用もかからず、企業様は完全無料でご利用いただける福利厚生です。4つの基準のうち、周りに知られずに使えるか、働く時間と場所に合うか、選べる幅があるかの3つに当てはめると、次のとおりです。
基準 | SBC Wellnessの場合 |
|---|---|
周りに知られずに使えるか | 予約や相談は従業員の皆さまと専任のコンシェルジュが直接行うので、誰が何を利用したかを企業様が管理することはありません |
働く時間と場所 | 予約はLINEで受け付けます。全国160院以上のネットワークがあり、41都道府県に展開しています |
選べる幅 | 美容医療・審美歯科・生殖医療・近視治療・薄毛治療などの対象施術が、いつでも10%OFFの優待価格で利用でき、利用回数に制限はありません。2親等以内のご家族も同じ優待を利用できます |
対象は正社員のほか契約社員やアルバイトなど、さまざまな雇用形態の方で、施術の費用はご本人のお支払いとなります。更年期の症状への配慮のように年代構成に合わせた支えは、勤務時間の調整や休暇の制度と組み合わせて考えてください。
まとめ
女性の離職率は男性より高く、辞める理由の上位には労働時間や休日の条件が挙がっています。福利厚生で支えられるのは、そのうち体調や不妊治療、家族の事情のように働き方に影響する部分で、制度は年代構成、周りに知られずに使えるか、働く時間と場所に合うか、本人が選べる幅があるかの4つで選びます。
女性が多いという理由だけで制度を決めず、まずは従業員の年代構成と働き方を確かめるところから始めてください。女性活躍推進法にもとづく行動計画と合わせて考える場合は、女性活躍推進法とは?企業に求められる取り組みと進め方もご覧ください。
SBC Wellnessの仕組みと導入の流れは、資料でご確認いただけます。資料をダウンロードする
出典
補足
制度を選ぶ4つの基準は、本記事独自の整理です
健康課題ごとの「主に関わる年代」は目安として示したもので、経済産業省の試算に含まれる区分ではありません
経済損失の試算は、四捨五入の関係で内訳の合計が総額と一致しません
SBC Wellnessの提供内容・条件は2026年10月時点のものです
