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福利厚生女性活躍推進

女性活躍推進法の改正で中小企業は何が変わる?101人以上の公表義務と100人以下の対応

2026.10.13 公開 | 監修:添田拓海(B2B推進部グループ長 / 福利厚生アドバイザー)

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2026年4月1日から、従業員101人以上の企業は、男女間賃金差異と女性管理職比率の公表が義務になりました。これまで男女間賃金差異の公表が義務づけられていたのは、301人以上の企業だけでした。

新たに義務の対象になった101人から300人の企業は、全国で33,539社にのぼります。この層の多くは、これまで公表する項目を1つ選べば足りていた会社にあたります。

しかも最初の公表の期限は決算の月によって異なり、すでに期限を迎えてしまった会社もあります。改正の全体像と規模別の変更点、決算月ごとの初回の公表期限をたどり、100人以下の企業が何を備えておくべきかまで解説します。

改正の全体像

改正女性活躍推進法は2025年6月11日に公布され、項目ごとに施行日が分かれています。企業の実務に関わる主な改正点を並べると、次のとおりです。

改正点

施行日

法律の有効期限を2036年3月31日まで10年延長

2025年6月11日

基本原則に「女性の健康上の特性」への配慮を明記

2025年6月11日

101人以上の企業に、男女間賃金差異と女性管理職比率の公表を義務化

2026年4月1日

えるぼし1段階目の基準の見直しと、えるぼしプラスの創設

2026年4月1日

政府の基本方針に定める事項に、ハラスメント対策を追加

2025年6月11日

プラチナえるぼしの要件に、求職者などへのセクシュアルハラスメント防止措置の公表を追加

2026年10月1日

このうち多くの中小企業に直接の対応を迫るのは、101人以上の企業に課された公表義務です。一般事業主行動計画の策定と届出については、101人以上は義務、100人以下は努力義務という枠組みが変わっていません。

規模別に見た、公表する項目の変化

今回の改正によって、情報の公表義務の中身は企業の規模ごとに次のように変わりました。

規模

改正前

改正後

301人以上

男女間賃金差異に加え、選択項目から計2項目(合計3項目以上)

男女間賃金差異と女性管理職比率に加え、選択項目から計2項目(合計4項目以上)

101〜300人

16項目から1項目以上

男女間賃金差異と女性管理職比率に加え、14項目から1項目(合計3項目以上)

100人以下

努力義務

努力義務(上と同じ3項目の公表に努める)

301人以上の企業が選ぶ2項目は、情報公表の項目のうち「職業生活に関する機会の提供」と「職業生活と家庭生活との両立」の2つの区分から、1項目ずつ選ぶ決まりになっています。

3つの規模のうち、改正前後で求められる内容が大きく変わったのは101人から300人の企業でしょう。これまでは自社で選んだ1項目を公表すれば足りていましたが、改正後は男女間賃金差異と女性管理職比率の2つが必ず含まれてきます。

男女間賃金差異は、全労働者・正規雇用・非正規雇用の3つの区分で公表しなければなりません。パート・アルバイトの比率が高い会社ほど、区分によって数字の出方が大きく変わるので、給与データを雇用形態別に集計できる状態を早めに整えておきたいところです。

最初の公表は、いつまでに必要か

最初の公表は、改正法の施行後に最初に終わる事業年度の実績を、次の事業年度が始まってからおおむね3か月以内に行います。決算の月ごとに当てはめると、目安は次のとおりです。

決算の月

実績を使う事業年度の終わり

初回の公表期限(おおむね)

4月

2026年4月末

2026年7月末

6月

2026年6月末

2026年9月末

9月

2026年9月末

2026年12月末

12月

2026年12月末

2027年3月末

3月

2027年3月末

2027年6月末

この考え方を当てはめると、4月から6月に決算を迎える会社は、すでに期限を過ぎている計算になります。次に期限がくるのは9月決算の会社で、目安は12月末にあたるので、いまのうちから集計を進めておきたいところです。

初回の公表を済ませたあとも、おおむね1年に1回以上は最新の数値に更新して公表します。女性管理職比率については、公表する事業年度か、その前の事業年度の時点の数値を使えます。

公表の方法と、数字の見せ方

公表の方法としては、厚生労働省の「女性の活躍推進企業データベース」を使うのが最も適切だと指針に示されています。自社のホームページに載せる方法でも差し支えありません。

男女間賃金差異は、数字だけを見ると、同じ仕事で賃金に差があるように受け取られてしまいます。実際には管理職に占める女性の割合や勤続年数、雇用形態の構成の違いが差の大きな要因になっている会社も少なくありません。データベースの説明欄を使って、差が生まれている背景と今後の取り組みを補足しておくと、受け取られ方が変わります。

101人のラインは、パートを含めて数える

自社が公表義務の対象になるかどうかは、常時雇用する労働者の数で判断することになります。雇用契約の形では区別せず、期間の定めなく雇われている人に加えて、有期や日雇いであっても過去1年以上続けて雇われている人や、雇い入れの時点から1年以上続けて雇われる見込みの人まで数に入れます。

正社員だけなら100人以下でも、長く勤めているパート・アルバイトを含めると101人を超える会社は少なくありません。義務の対象かどうかを正社員の数だけで判断してしまうと、知らないうちに違反していたという事態になりかねません。

100人以下の企業が備えておくこと

100人以下の企業にとって、情報の公表と行動計画の策定・届出は、改正後も努力義務のままです。それでも自社の数字を把握しておく意味は、次のような点から大きくなってきました。

  • 人数が増えて101人を超えた時点で、すぐに公表の義務が発生する

  • 求職者が女性の活躍推進企業データベースで職場の状況を比べる場面が増えている

  • えるぼし認定は100人以下の企業でも取得でき、令和8年3月末時点で1,330社が認定を受けている

行動計画の策定から届出までの進め方は、女性活躍推進法とは?企業に求められる取り組みと進め方で4つのステップに分けて追いました。

公表の義務に違反すると、行政から報告を求められたり、助言・指導・勧告を受けたりします。勧告に従わなかった場合には、その旨が公表されることもあります。

福利厚生との関わり

男女間賃金差異や女性管理職比率は、採用や配置、昇進、賃金といった人事の実績で決まる数字です。福利厚生を整えても、これらの数字が直接変わるわけではありません。

今回の改正では、女性の活躍の推進を女性の健康上の特性に留意して行うことが基本原則に加わり、行動計画にも女性の健康に関する取り組みを盛り込むことが望ましいとされました。休暇制度や相談の体制と並んで、福利厚生もそうした取り組みの選択肢に入ってきます。

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まとめ

2026年4月から、従業員101人以上の企業は、男女間賃金差異と女性管理職比率の公表が義務になりました。変化が大きいのは101人から300人の企業で、これまで1項目を選べば足りていた公表が、2つの必須項目を含む3項目以上に増えています。

最初の公表の期限は決算の月で決まり、4月から6月に決算を迎える会社はすでに期限を過ぎています。101人のラインはパート・アルバイトを含めて数えるので、まずは常時雇用する労働者の数と、自社の決算月から期限を確かめてください。

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出典

補足

  • 101人から300人の企業数(33,539社)は、厚生労働省の一般事業主行動計画策定届出状況(令和8年3月末現在)の企業数です

  • 決算月ごとの公表期限は、厚生労働省の資料にある考え方(施行後最初に終了する事業年度の実績を、次の事業年度開始後おおむね3か月以内に公表)を当てはめた目安です。厚生労働省の資料に例示があるのは4月・12月・3月決算です

  • 本記事の内容は2026年9月時点の情報にもとづきます

  • SBC Wellnessの提供内容・条件は2026年9月時点のものです

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監修者

添田拓海

B2B推進部グループ長 / 福利厚生アドバイザー / SBCメディカルグループ株式会社

2021年筑波大学卒業。医療現場での実務経験を活かし、業務プロセス改革(BPR)を主導して組織の生産性向上に貢献。グループでは最年少でマネージャーに昇格する。現在は、ウェルビーイング領域を担う「SBCWellness」のサービス担当部署において、300社を超える導入企業の現場の声に基づいたサービス改善に注力。若手リーダーとしての組織改革にも取り組みながら、企業のウェルビーイング実現を支援している。