飲食店・フランチャイズの福利厚生|本部一括で店舗間の差をなくす
2026.10.30 公開 | 監修:添田拓海(B2B推進部グループ長 / 福利厚生アドバイザー)

飲食店や小売店、美容室やカラオケ店のように、店舗を構えて営業する業態では、働く人の多くがパート・アルバイトで、店舗ごとに少人数で運営されています。厚生労働省の令和7年雇用動向調査によると、1年間の離職率は全産業で13.7%だったのに対し、宿泊業・飲食サービス業では23.7%、生活関連サービス業・娯楽業では20.1%でした。
人の出入りが多い業態ほど、店舗で働く人の定着は経営の課題になりやすく、そのうえ店舗が増えるにつれて、同じ会社やチェーンで働いているのに、店舗によって使える福利厚生が違うという状態が生まれがちです。店舗ごとに差が出る理由を分けたうえで、直営店とフランチャイズ加盟店のそれぞれで本部ができること、全店で同じように使える制度の条件を順にご説明します。
店舗ごとに福利厚生の差が生まれる理由
店舗間の福利厚生の差は、本部が意図しないまま、運営の仕組みから自然に生まれてくる場合がほとんどです。差が出る原因を分けると、次の3つに整理できます。
原因 | よくある例 |
|---|---|
制度が場所に結びついている | 休憩室の設備が店舗の広さで違う。提携しているスポーツ施設や保養所が本社の近くにしかない |
店長の裁量に任されている | まかないの内容や懇親会の予算が店長の判断で決まり、店舗ごとにばらつく |
雇用主が店舗ごとに違う | フランチャイズ加盟店では、それぞれの加盟店が従業員を雇っているため、福利厚生も加盟店ごとに決まる |
表の1つめと2つめは直営店でも起きる差で、3つめはフランチャイズに特有の事情として、本部が制度を整えても加盟店まで届かない理由になっています。
直営店と加盟店で、本部ができることは違う
直営店で働く人は本部と同じ会社に雇われているので、本部が福利厚生規程を定めれば全店に同じ制度を適用できます。店長の裁量に任せている部分も、規程のなかで上限や対象者を決めておけば、店舗ごとのばらつきを小さくできます。規程の組み立て方は、福利厚生規程の作り方|ひな形に沿って決める6項目にまとめました。
フランチャイズ加盟店は事情が異なり、加盟店で働く人を雇っているのは加盟店のオーナーです。本部は加盟店の従業員の労働条件を決める立場にないため、福利厚生も本部が一方的に導入することはできません。本部にできるのは、加盟店が参加できる制度を用意し、参加を案内するところまでです。
本部が用意した制度に加盟店が参加するかどうかは、最終的にそれぞれのオーナーの判断に委ねられます。制度に参加すると加盟店に費用や事務が発生する形では、参加する店舗としない店舗が分かれ、結局は店舗間の差が残ってしまいます。
全店で同じように使える制度の条件
本部が一括で用意して店舗間の差をなくすには、制度そのものが店舗の条件に左右されないことが前提になります。直営店と加盟店のどちらにも当てはめられる条件は、次の4つです。
条件 | 確かめること |
|---|---|
場所に左右されない | 店舗の立地や広さにかかわらず、どの店舗で働く人も使えるか |
勤務時間に左右されない | シフト勤務の人でも、勤務の合間や休みの日に手続きできるか |
店舗に事務が発生しない | 店長が申込みの受付や利用の集計をしなくて済むか |
店舗に費用が発生しない | 加盟店や各店舗の予算から費用を出さなくて済むか |
表の4つめにあたる費用は、フランチャイズでは特に重要な条件になり、加盟店に費用が発生しなければオーナーが参加をためらう理由が一つ減り、チェーン全体で同じ制度を案内しやすくなるはずです。
店舗で働く人の多くを占めるパート・アルバイトを対象に含めるかどうかも、あわせて確かめておきたい点です。法律で求められる範囲は、パート・アルバイトの福利厚生|企業が対象に含めるべき範囲と選び方で取り上げました。
本部で決めることと、店舗に任せること
福利厚生のすべてを本部でそろえる必要はなく、店舗ごとの事情に合わせたほうが働く人に喜ばれる制度もあります。まかないの内容や、繁忙期を乗り切ったあとの差し入れなどは、店長がその店舗のスタッフを見て決めたほうが生きてくる場面が多いはずです。
本部で決めておきたいのは、どの店舗で働いても同じ条件で使える制度と、店舗に任せる部分の上限や対象者のルールです。場所に左右されない制度は本部でまとめて用意し、店舗の運営と結びついた制度は規程で上限だけを決めて店長に任せる、という分け方が考えられます。
区分 | 制度の例 | 本部が決めること |
|---|---|---|
本部でそろえる | 健康診断、慶弔見舞金、外部の優待サービス | 制度の内容、対象者、申込みの方法 |
店舗に任せる | まかない、懇親会、繁忙期の差し入れ | 1人あたりの上限額、対象者を一部の人に限らないこと |
店舗に任せる制度でも、まかないは税務上の食事の支給にあたり、本人の負担額や会社の負担額が基準から外れると給与として課税されます。店長が判断に迷わないように、基準の金額は本部から示しておくと安心です。基準の中身は、福利厚生費の勘定科目と仕訳|給与課税になる境目で取り上げました。
SBC Wellnessの場合
私たちがご提供している「SBC Wellness」は、導入費用も月額費用もかからず、企業様は完全無料でご利用いただける福利厚生です。さきほどの4つの条件に当てはめると、次のとおりです。
条件 | SBC Wellnessの場合 |
|---|---|
場所に左右されない | 全国160院以上のネットワークがあり、41都道府県に展開しています |
勤務時間に左右されない | 予約はLINEで受け付けるので、シフトの合間や勤務時間外にも手続きできます |
店舗に事務が発生しない | 企業様の事務は申込みと社内への周知のみです。予約や相談は従業員の皆さまと専任のコンシェルジュが直接行います |
店舗に費用が発生しない | 導入費用も月額費用もかからず、企業様は完全無料です。施術の費用はご本人のお支払いとなります |
従業員の皆さまは、美容医療・審美歯科・生殖医療・近視治療・薄毛治療などの対象施術を、いつでも10%OFFの優待価格で利用できます。対象は正社員のほか契約社員やアルバイトなど、さまざまな雇用形態の方です。フランチャイズ加盟店の従業員の皆さままで対象に含める場合の進め方は、導入前にご相談ください。
まとめ
店舗が多い会社では、制度が場所に結びついていることや店長の裁量、フランチャイズでは雇用主が加盟店ごとに違うことから、福利厚生に店舗間の差が生まれます。直営店なら本部の規程で全店にそろえられますが、加盟店に対して本部ができるのは、参加できる制度を用意して案内するところまでです。
全店で同じように使える制度を選ぶには、場所と勤務時間に左右されず、店舗に事務も費用も発生しないことが条件になります。まずは今ある制度を店舗ごとに書き出し、どの店舗で使えていないかを確かめるところから始めてください。
店舗の規模やタイプ別の福利厚生の選び方は、中小企業の福利厚生|自社の従業員構成から選ぶでも取り上げています。
SBC Wellnessの仕組みと導入の流れは、資料でご確認いただけます。資料をダウンロードする
出典
補足
店舗間の差が生まれる3つの原因と、制度の4つの条件は本記事独自の整理です
離職率は、令和7年1年間の離職者数を年初の常用労働者数で割った値です
SBC Wellnessの提供内容・条件は2026年10月時点のものです
